練習メニューの組み立て方

まず練習のメニューを考えるにあたって、大切なことはなんですか?

それは何を今日やるのかという事ではなくて、何を目標にしてやるかという事です。

毎日ただその日の練習メニューを立てているだけでは、先がおもいやられます。

選手がかわいそうです。よく職人のことわざに「段取り7分、仕事3分」というのがあります

その意味は、段取り(仕事の準備や手配)がしっかり出来ていれば、

もうその仕事は70%完成したということです。

水泳についても同じことが言えます。

練習メニューを立てるということは、それがよく熟考された実際的なものを作ることが出来れば、

もうその段階で、練習はもう70%成功したようなものです。

ですから練習立てることは時間を惜しまずに、じっくりと考えてやりましょう。

〇目標の立て方

目標の立て方には、大きく分けて2つあります。それは長期的な目標と、短期的な目標です。

長期的な目標とは、3年、あるいは高校生までに、大学生までに、完成させるという目標です。

マスターズの方なら、1年単位くらいでどこまでタイムを縮めようとか立てるのもよいでしょう

〇目標の立て方

目標の立て方には、大きく分けて2つあります。それは長期的な目標と、短期的な目標です。

長期的な目標とは、3年、あるいは高校生までに、大学生までに、完成させるという目標です。

マスターズの方なら、1年単位くらいでどこまでタイムを縮めようとか立てるのもよいでしょう

とにかく目標は大切です。

〇長期的な目標

長期的な目標を立てるのには、まず大まかな達成計画をたてることが大切です。

コーチにより考え方は異なりますので、ここでは私の考えたかを載せます。

(これがすべてではありません)

仮に現在、小学校4年生として、目標は、中学卒業までに平泳ぎの選手を育てようとしたときに

立てる練習について考えてみましょう。(平泳ぎの素質を4年生で見つけた時)

以下に1年後との達成目標と主な練習を書きます

とにかく目標は大切です。

学年 4年生まで 5年生まで 6年生まで 中1年まで 中2年まで 中3年まで
主な達成目標

4泳法を

マスターする

個メでJO

記録狙う

平泳ぎで

JO記録狙う

同左

平泳ぎで

JO上位狙う

日本選手権

出場

中心練習

フリー

個メ中心

個メ中心

個メ、平泳ぎ

半分ずつ

平泳ぎ中心 平泳ぎ中心

平泳ぎ中心

筋力トレ

 

こんな感じで立てるといいでしょう。でも上記の内容は選手によって違いますし違わないと困ります

 

<この表の説明>

今までの経験で平泳ぎが優れている子が見つかって、平泳ぎ中心で泳がせていると、

確かに小4でもJOで良い記録を出しました。

でも大きくなると、新たに入ってきた子の方が速くなっていったり、中学生からあまり伸び悩んだり

することが見られ、小4で良い成績をおさめても必ずしも、

これからも良い成績を収めるわけでないことが観察されました。

ですから、小学生の内は、個メ中心で、体の筋肉の能力を均等にアッフ゜させることが大切です。

(他のスポーツに頑張っても可)

それから平泳ぎに転向しても、それが例え小6くらいでも、

平泳ぎの選手として、十分戦っていけるからです。

またその方が将来的にいい感触が得られると思います。あまり小さいうちに平泳ぎを中心にすると

膝を壊したりして、成長期に同じ練習をたくさんするのはよくないでしょう

話がずれましたが、ここで言いたいことは、ただ漠然と練習するのではないと言うことです。

上記のようにどのように育てるのか、よく考えてから練習するのが大切なので、

目標をしっかり立てて練習しましょう

〇短期的な目標

ここでいう短期的な目標というのは、大会ごとを区切りとした練習メニューの考え方です。

御存知のように、大会はたいへん多くあります。

ですから、すべての大会をベストで泳げるように練習をするのは、必ずしも良い事ではありません。

なぜなら、ベストが出るように選手の体のコンディションを持っていくには、

ある程度、時間がかかるからです。

ですから、もし、すべての大会にベストが出せれるように練習を組もうとすると、

中途半端なコンディションで良い記録が出せれないというのもしばしば起こるわけです。

しかも選手の精神的にもよくありません。

「あんなに頑張ったのに、全然ベストがでなかった」とか、練習の手ごたえが記録に出ないので、

次の練習のやる気がなくなる事もあります。

ですから、大会はある程度、絞る必要があるでしょう。

また大会エントリーは数あっても、ベストを尽くす大会と、流す大会(練習の延長のような)を分けて

大会により、精神的負担を軽減するのも良いと思います。

意外と流す大会でとてつもない記録が出たりするものです。

本当に人間の体は不思議なことが起こります。

精神的に追い詰める練習ではなく、能力を伸ばす練習をするように心がけましょう

また、逆にこんな経験はしたことがありませんか?

練習を1週間くらい休んだまま大会に出たら、なんと!なかなか出ないベストの記録が出た。

というを経験した選手やコーチも多いと思います。

全然期待していない子が突然記録を出すという、うれいしハプニングはどうして起きるのでしょうか?

これにも原因があります。

それを逆に利用して大会のときにベストが出せれるように持っていくことが、

この短期目標の練習メニューの立て方です。

〇疲労と回復の関係

人間は練習をすると疲れます。でも寝て次の日起きてみると疲れはとれていますね。

でも、この回復した時は、なんと以前よりも多くのパワーが体の中に発生しているのです。

これを超回復といいます。

そしてこの時に試合と重なった場合、自分の持っている力以上を発揮するのです。

ですから激しい練習をした後、1週間くらい休んでいた人が、

その直後の試合で大ベストを出せれるのは、このためです。

では、意図的にこの超回復を試合に持っていくにはどうすればいいのでしょうか?

次のグラフを見てください。

ここでは、週6日の練習と激しさと体の消耗度をグラフにしたものです。

赤色の部分が、超回復のところです。

実際の自分の力よりも多くの力を出していることが分かります。

だんだん波が上がっていることは、その選手の能力が練習により向上していることを表しています

(つまり前回の練習よりは、今回の練習に対して耐える力がついたことを表しています)

これを上手に取り組んで、試合時にさらに超回復を持っていけるように、

次のように持っていくことができます。

 

この表で分るように、練習を激しいものにすることにより、意図的に超回復を作ることができます。

大切なのは、調整期の練習とハード期の練習の兼ね合いです。

試合前日まで、激しい練習をしていると、試合に回復が間に合わなくなります。

ですから、調整期しだいで自分の力以上のもの(120%の力)が出せるかどうかが決まります。

またハード期に充分な練習をしていないと、中途半端な回復しかえられないでしょう

次ぎに各時期の注意すべき点を書きます。

 

<形成期> 約2週間~2ヶ月間

この期間には、泳ぎの形を作ったり、矯正する時期です。この時にしっかりと形を作っておかないと

ハード期に移り、大量の練習に間違った形で泳ぐことになるので、練習の意味がなくなります。

練習としては、ドリルをはじめ、基本的な練習(壁キックや、片手スイム、ヒィンスイムなど)

<ハード期> 約3週間~1週間

この時期はいわゆる泳ぎ込みです。ダッシュ、インターバル、遠泳など、力をつける練習をします

でも泳ぎが崩れるので、長期のハード練習の場合には、泳ぎを直す練習の日を混ぜるようにします

期間の長さは、小学生なら1週間くらいでいいかもしれません。

中高大生は、1ヶ月泳ぎこんでも死なないでしょう。でも体を壊さないように…

食事は、肉類、ご飯をたくさん食べましょう。もりもりたくさん食べて力を蓄えます。

<調整期> 約10日~1週間

この時期はとても大切な時です。上手に過ごすことで自分の力を120%引き出せます。

ハードな練習は避けて、崩れた泳ぎを直したり、ターンの練習をします

期間の長さは、ハード期間が長ければ、長く調整期間を取ります。

でもあまり長くとりすぎると泳力が落ちる原因となりますので、気をつけるようにしましょう。

食事も炭水化物中心のもので、試合が近ければ近いほど、パスタやスパゲッティのみにします

肉食は避けた方がいいでしょう。

<前日>

水に親しむ程度でいいでしょう。あまり長い時間、練習してはいけません。

試合用の水着のチェックとか、スタート練習、ターン練習、ストレッチ、アップ程度の練習でいいです

練習を休んでもかまいませんが、できれば水に入ることで精神的に気合をいれることもできます。

食事は、スパゲッティなどの炭水化物のみにしたほうがいいです。

<試合当日>

きょうはがんばるだけです。リラックスした精神を保ちましょう

食事は、縁起かつぎて「カツ丼やとんかつ」はあまりお勧めできません。

パスタや、バナナ、くだもの類をとると良いでしょう。

最低でも試合2時間前には食事は終了していましょう。

間食はできれば避けて、レースの合間には、チョコレートや氷砂糖、果物をとるとよいでしょう。

以上のように練習に対して期間を持たせて、超回復を作り出す事により120%の力を出すことが

できます。でも回復の度合いは、人によって違うので、

日頃の練習で選手の回復能力を把握する事が大切です。

自分が選手なら自分の回復の度合いを把握していましょう。

ここだけの話ですが、試合前でも練習が激しい場合、手を抜くとか、休んでしまってもいいでしょう。

(コーチには内緒ですよ、生意気な事をコーチに言うとあなたにとってよくないと思いますので…)

 
水泳用語の説明

アップ  (準備運動のようなもの)

イージースイム (ゆっくり泳ぐこと)

ダウン  (整理体操のようなもの)

キック  (バタ足の練習、ビート板使用)

プル   (プルブイ、ビート板などを足に挟み、手だけで泳ぐ)

スイム  (普通に泳ぐこと)

チョイススイム (自分の種目or嫌いな種目orクロール以外の泳ぎ)

個メ   個人メドレーの事  1個メは、100m個人メドレー

練習は1度に多くの距離を泳ぐよりも、定期的に練習することが大切です

 

 

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